

「夢うさぎと月燈のバク」企画説明
「夢うさぎと月燈のバク」 は、2017年あたりからちょこちょこと描いてきたうさ耳少年をなにか形にしたくて定期的にイラストを描いていたものをもとにした創作作品です。元設定自体は2020年に参加した月をテーマにした展示会の時に「告知とともに連動して設定を上げたら面白いかも」と思...
7月1日


【制作風景】チャッピーと構想中
次の話について相談しています。季節に合わせた初冬を舞台に、夢主は20代後半リーマン、職場の同僚とのオフィスメンズラブから始まるエピソード…というところからアイデアをもらいました。現在、下記構想をもとに構築中です。 構想: 「冬を迎える恋」 テーマ:ぬくもりの始まり/静かな幸福感 夢主・**笹原湊(ささはら・みなと)**は、同じ部署の同僚・**古賀怜央(こが・れお)**に告白され、戸惑いながらも恋人として歩み始めたばかり。 怜央は明るく、どこか子どものような人で、湊の慎重さを柔らかく包んでくれる。 ──だが、冬の訪れとともに、湊は妙な夢を見るようになる。静かな夜、雪のように白い月の下で、アオとモモが「夢の案内人」として現れる。 夢の中では、怜央と出会った頃の記憶や、「愛されることへの怖さ」が次々に映し出されていく。 湊は、自分が恋を恐れていた理由を理解する。“失うのが怖いから、最初から距離をとっていた”ことを。 アオの一言──「冬は終わりじゃないよ。眠って、また芽吹くための季節なんだ」 その言葉に背中を押され、目覚めた湊は怜央に「ちゃんと好きだ」と
5 日前


【設定メモ】眠りの隣の話
[episode35]眠りの隣 について少し語ろうと思う。 初めて、書き出しをモモの主観にしてみました。これはチャッピーからの提案でした。確かにずっと俯瞰で綴っていたので、もしかしたら入り込みづらさがあるかもしれないなと思いまして。確かにこんなに本数書いたわりにはまだキャラクターの人となりがそこまで出ていない気がするもんなぁ。 「モモがいないとうまく眠れない」 アオのセリフ。一瞬、そこにちょっとした依存性を感じるかもしれないけれど、それはずぶずぶな感じではなく、お互いが長く「ひとり」だったのに、今はモモとう相方の存在を認めているというニュアンスなので、実はそれほど甘い発言でもない。モモにとっても、まったく違う道を歩いていたアオがそういう発言をするのは「ふたりの暮らしに馴染んでいるのか」くらいの感じ方。糖度は低い。 しかしながら、確かにバディとしてのふたり(二匹?)の距離はかなり近くなっている。恋愛のような甘さは足りなくても、存在を認めていること、それが日常になっていることが結構重要です。 そして、ナチュラルにふたりは寄り添って眠るわけですが、モ
11月17日
![[episode35]眠りの隣](https://static.wixstatic.com/media/114c79_36843c1ed46d4afab96ca5f1ec659166~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_36843c1ed46d4afab96ca5f1ec659166~mv2.webp)
![[episode35]眠りの隣](https://static.wixstatic.com/media/114c79_36843c1ed46d4afab96ca5f1ec659166~mv2.png/v1/fill/w_296,h_222,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/114c79_36843c1ed46d4afab96ca5f1ec659166~mv2.webp)
[episode35]眠りの隣
地上での夜遊びってやつは、たまに妙に長くなる。 人間の夢の中は賑やかで、抜け出すタイミングを見失うんだ。 気づけば帰り道の月は、いつもより静かに見えた。 自分たちの部屋に戻ると── 扉の隙間から、かすかな灯が漏れていた。 アオのやつ、まだ起きてやがる。 「……おーい、寝てねえのか?」 声をかけながら入ると、机に座ったアオが振り向く。 手元では小さな懐中時計が分解されていて、銀の歯車が月光を吸って、淡く光っていた。 「モモ、おかえり」 穏やかな声。眠そうなのに、どこか嬉しそうでもある。 「なにしてんだよ。こんな時間に」 「時計の修理。モモがいなかったから……うまく眠れなくて」 一拍、時間が止まった。 何気ない調子で、そういうことをさらっと言う。 まったく、油断も隙もない。 「子どもかよ。俺がいないと寝られねーのか?」 軽口を叩いてみたけど、胸の奥がじんわり熱いのを誤魔化すには足りなかった。 アオは小さく笑って、歯車をピンセットでつまみながら言う。 「この音、モモが好きだって…言ってたでしょ」 そう言って、時計を耳元で鳴らしてみせた。 チッ、チッ……
11月9日
![[episode34]秋風の残響](https://static.wixstatic.com/media/114c79_afef7b36deeb4c9ca730c1647ad4a125~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_afef7b36deeb4c9ca730c1647ad4a125~mv2.webp)
![[episode34]秋風の残響](https://static.wixstatic.com/media/114c79_afef7b36deeb4c9ca730c1647ad4a125~mv2.png/v1/fill/w_296,h_222,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/114c79_afef7b36deeb4c9ca730c1647ad4a125~mv2.webp)
[episode34]秋風の残響
アオが静かに目を開けたとき、そこはどこかの学校の校舎の中だった。 木製の廊下が秋風にきしみ、窓の外には金色に染まった銀杏並木。放課後の陽だまりの中に、黒板の粉がゆっくりと舞っていた。 「ここは……夢主の夢の……。ええと、学校…ってやつかな」 アオの隣で、モモがぼんやりと口を開ける。 「はは、なんか懐かしい感じの建物だな。こういう匂い、アオ好きそう」 「うん。静かで、少し寂しい匂い」 ふたりが歩を進める先、教室の一角に座っている男性がいた。 淡いベージュのカーディガンに包まれたその姿は、どこか疲れたようで、それでも穏やかな笑みを浮かべていた。 彼の名は――結城総司(ゆうき・そうじ)。 高校教師。かつて男女とわず教え子たちに慕われ、静かな人気を誇った文学教師。 だが、今、病室のベッドで息を細くしながら、夢の中で最後の願いを口にしていた。 「彼に……会いたいな。もう一度だけ……」 モモがその声を受け取り、アオに目配せをした。 「叶えてあげようぜ。連れてはこれねえけど、夢を繋ぐくらいならできるだろ」 そうして、夢主の夢と、会いたいと願っている相手が見てい
10月30日




