![[epidode33]月の灯が揺れる夜](https://static.wixstatic.com/media/114c79_41679b0c7ab344559339ff535741ea4b~mv2.jpg/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_41679b0c7ab344559339ff535741ea4b~mv2.webp)
![[epidode33]月の灯が揺れる夜](https://static.wixstatic.com/media/114c79_41679b0c7ab344559339ff535741ea4b~mv2.jpg/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/114c79_41679b0c7ab344559339ff535741ea4b~mv2.webp)
[epidode33]月の灯が揺れる夜
月の裏側にある静かな家。 風がないのに、ススキのような光の粒がゆらゆらと漂っていた。 アオはその中に腰を下ろし、地球を見下ろしていた。 彼の肩が、いつもより少しだけ下がって見える。 今日の夢主は、長く介護をしていた女性だった。 最期に見たのは母の面影。 安らいだ笑顔のまま消えていった彼女を見送ったあと、 アオはぽつりとつぶやいた。 「……どんなにがんばっても、最後はみんな、いなくなっちゃうね」 その声はかすかで、月の空気に溶けていった。 隣に現れたモモは人間の姿。何も言わずにただアオの隣に座る。 彼の手には、湯気を立てるマグカップがふたつ。 「飲め。冷める前にな」 アオは受け取り、両手で包むように持つ。 ほのかな甘い香りが鼻をくすぐった。 「……ありがとう」 静かな沈黙が、ふたりのあいだに落ちる。 しばらくして、モモが低く笑った。 「なあアオ、おまえさ。 自分が“救えなかった”とか思ってるんだろ?」 アオの垂れたうさ耳が、ぴくりと動く。 「……なんで、わかるの」 「顔に書いてある。おまえ、真面目クンだもんな」 そう言ってモモは、マグを口に運ぶ。
2025年10月15日
![[episode32]その日、君に会えたら](https://static.wixstatic.com/media/114c79_e00eb18056ba4bd1ba73587c4cc83441~mv2.jpg/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_e00eb18056ba4bd1ba73587c4cc83441~mv2.webp)
![[episode32]その日、君に会えたら](https://static.wixstatic.com/media/114c79_e00eb18056ba4bd1ba73587c4cc83441~mv2.jpg/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/114c79_e00eb18056ba4bd1ba73587c4cc83441~mv2.webp)
[episode32]その日、君に会えたら
夜の病室に、秋の月がひっそりと光を落としていた。 点滴の滴る音だけが規則正しく響く中、ベッドに横たわる結城ケイは、まぶたの裏に広がる暗闇へそっと身を委ねていた。 肉体は確実に弱っている。医師から告げられた余命は、指折り数えられるほど。 ―それでも、まだ終わっていない。 そう思った瞬間、淡い光とともに二つの影が現れた。 「こんばんは、ケイさん」 白い兎耳を揺らしながら、アオが柔らかく微笑む。 「僕たちは夢の案内人。あなたの“幸せな記憶”を探しに来たんです」 隣で黒髪のモモが片手をひらひらと振り、「案内人兼ボディガードだ」と軽く笑った。 ケイはかすかに目を見開き、唇を動かす。 「じゃあ……これから、その記憶を一緒に作ってくれない?」 「これから?」アオが瞬きをする。 「うん。まだ死んでない。だけど、時間はもうない。最後に―僕が一番きれいな姿になって、好きな人と過ごしたいんだ」 その瞳は、命が尽きかけているとは思えないほど、澄みきった輝きを宿していた。 アオとモモの力で広がった夢の世界は、秋の夜を思わせる街並みだった。 銀色の月が高く、ススキが風に揺れ
2025年10月13日


【つぶやき】自己暗示してこ
制作はすすめているんですけども、生活の中で気持ちが落ちるとどうも手(と頭)が止まってしまうようで、少しペースを落とします。上半期の締めタイミングですしね。トーンダウンしてもおかしくはない。 普段は気持ちが落ちぎみなタイミングでは創作が捗るんですけども、今回はもう少し重い落ち...
2025年9月29日
![[episode31]双つの命と彼岸花](https://static.wixstatic.com/media/114c79_104954b917334c9d9a7af5d5c013291c~mv2.jpg/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_104954b917334c9d9a7af5d5c013291c~mv2.webp)
![[episode31]双つの命と彼岸花](https://static.wixstatic.com/media/114c79_104954b917334c9d9a7af5d5c013291c~mv2.jpg/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/114c79_104954b917334c9d9a7af5d5c013291c~mv2.webp)
[episode31]双つの命と彼岸花
白い天井をぼんやりと見つめながら、肺の奥に溜まった空気をゆっくり吐き出した。 秋分の夜。病室の窓から射す月の光が、点滴の管を淡く照らしている。 胸の奥が痛む。命が削れていく感覚が、もう恐怖ではなく淡い諦めとして身体に馴染んでいた。...
2025年9月25日




【設定メモ】夢主の最期描写について
先日、 アオとモモQ &A の中でも触れたのですが、自分の中で明確にパターンができたのでこちらのメモしていこうと思う。夢主が夢(記憶)の中で、かつての恋人や好きだったヒトに会うという描写について。 そのお相手が、夢主の当時の記憶の中にしっかり残っている存在(概念か生き霊?)...
2025年9月23日
![[episode30]君を迎える夜](https://static.wixstatic.com/media/114c79_b8cd9409c62b442b8a2960e4ade896c5~mv2.jpg/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_b8cd9409c62b442b8a2960e4ade896c5~mv2.webp)
![[episode30]君を迎える夜](https://static.wixstatic.com/media/114c79_b8cd9409c62b442b8a2960e4ade896c5~mv2.jpg/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/114c79_b8cd9409c62b442b8a2960e4ade896c5~mv2.webp)
[episode30]君を迎える夜
夏の夜の匂いが、夢の中に濃く漂っていた。湿った夜風に混じる線香花火の煙、屋台から流れる甘いソースの匂い。遠くで太鼓の音が響き、ちょうちんの光が並んで揺れている。 アオとモモは、並んでその光景を見つめていた。 今回の夢主は四十代半ばの男性。布団に横たわり、衰えた身体で呼吸を細...
2025年9月23日
![[episode29]閑話・愛についての雑談](https://static.wixstatic.com/media/114c79_4ff459b96d444d888eb203a7b8052a70~mv2.jpg/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_4ff459b96d444d888eb203a7b8052a70~mv2.webp)
![[episode29]閑話・愛についての雑談](https://static.wixstatic.com/media/114c79_4ff459b96d444d888eb203a7b8052a70~mv2.jpg/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/114c79_4ff459b96d444d888eb203a7b8052a70~mv2.webp)
[episode29]閑話・愛についての雑談
月の家の窓辺。 アオは机に肘をついて、いつものように黒い空をぼんやり眺めていた。静かな時間の中、ふと口から言葉がこぼれる。 「……モモ。きみは、愛について、どう思う?」 何気ない調子だった。けれどモモは読んでいた本をぱたりと閉じて、にやりと口角を上げる。...
2025年9月18日


【設定メモ】アオとモモにQ & A
自分の頭の中にだけある設定メモをQA形式でお送りします。もし「こんなことも訊いてみたい」ということがあればコメントなどでいただけると嬉しいです。 Q:アオは見た目通りの年齢なんですか?(14歳くらい?) A:違います。アオは肉体的な加齢をしないので、おそらく300年くらいは...
2025年9月17日
![[episode28]消えない旋律](https://static.wixstatic.com/media/114c79_8883d620a06b42a2beb5dbe3d8880c17~mv2.png/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_8883d620a06b42a2beb5dbe3d8880c17~mv2.webp)
![[episode28]消えない旋律](https://static.wixstatic.com/media/114c79_8883d620a06b42a2beb5dbe3d8880c17~mv2.png/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/114c79_8883d620a06b42a2beb5dbe3d8880c17~mv2.webp)
[episode28]消えない旋律
胸の奥が重たく、呼吸は細く途切れ途切れにしか続かない。 病に蝕まれた体はもう、自分のものではないように思えた。 ――もうすぐ終わるのだろうか。 まぶたを閉じたその瞬間、美緒の意識は静かに夢の世界へと沈み込んでいった。 *** 「……来たみたいだね」...
2025年9月16日





![[episode38]幸せな記憶のために -雨ときみ-](https://static.wixstatic.com/media/114c79_1d6f312537804bdfab280bd4b02d3029~mv2.jpg/v1/fill/w_298,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_1d6f312537804bdfab280bd4b02d3029~mv2.webp)
![[episode38]幸せな記憶のために -雨ときみ-](https://static.wixstatic.com/media/114c79_1d6f312537804bdfab280bd4b02d3029~mv2.jpg/v1/fill/w_74,h_62,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/114c79_1d6f312537804bdfab280bd4b02d3029~mv2.webp)
![[episode37]幸せな記憶のために 後日談](https://static.wixstatic.com/media/114c79_f65b245114064039838af8186ed95e95~mv2.jpg/v1/fill/w_298,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_f65b245114064039838af8186ed95e95~mv2.webp)
![[episode37]幸せな記憶のために 後日談](https://static.wixstatic.com/media/114c79_f65b245114064039838af8186ed95e95~mv2.jpg/v1/fill/w_74,h_62,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/114c79_f65b245114064039838af8186ed95e95~mv2.webp)
![[episode36]幸せな記憶のために](https://static.wixstatic.com/media/114c79_17c52ef639b5419fa31f8cc732c7866d~mv2.jpg/v1/fill/w_298,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_17c52ef639b5419fa31f8cc732c7866d~mv2.webp)
![[episode36]幸せな記憶のために](https://static.wixstatic.com/media/114c79_17c52ef639b5419fa31f8cc732c7866d~mv2.jpg/v1/fill/w_74,h_62,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/114c79_17c52ef639b5419fa31f8cc732c7866d~mv2.webp)
![[episode35]眠りの隣](https://static.wixstatic.com/media/114c79_36843c1ed46d4afab96ca5f1ec659166~mv2.png/v1/fill/w_298,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_36843c1ed46d4afab96ca5f1ec659166~mv2.webp)
![[episode35]眠りの隣](https://static.wixstatic.com/media/114c79_36843c1ed46d4afab96ca5f1ec659166~mv2.png/v1/fill/w_74,h_62,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/114c79_36843c1ed46d4afab96ca5f1ec659166~mv2.webp)