

[episode23]出会いの予兆
アオが目を覚ました時には、すでに月にいた。 自分が生まれ育った記憶も、どうしてここにいるのかも分からない。ただ気がつけば、小さな庭と畑、泉を抱いた家で暮らしていた。 庭の畑には月菜が育ち、空腹になればそれを摘んで皿に盛る。味気ないがそれで空腹は満たされ、住処の裏にある泉から...
8月23日


[episode22] The Last Curtain Call
体育館の天井は高く、夏の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。 そこは夢の中――だが、19歳の秋人には、まるで昨日のことのように思えた。 高校の文化祭で使った体育館。舞台袖から眺めた景色は、憧れと緊張で胸を震わせた、あの日のままだった。...
8月22日


[episode21]廃墟の遊園地と最後の客
地上へと降りたアオが最初に目を開けたとき、そこは闇に沈んだ遊園地だった。 折れた柵、剥がれたペンキ、風にきしむ観覧車。長く打ち捨てられた場所に、ひとりの老人が立っていた。 背を少し丸めた男は、フェンスに手をかけ、懐かしげに目を細めている。...
8月20日


【設定メモ】モモの過去
20話目を書き終えた。ずっと「モモは男女ともにモテる」と示してきたが、まさにそういうことです。彼は男女問わず良い夢を見させることで美味い夢にありつけるので、自制しないと大変なことになる。人間は自分よりもずっと欲深く、危険であることを実体験で知っているので今はそんなことはしな...
8月16日
![[episode20]甘眠の密猟者 ― The Sweet Sleep Poacher ―](https://static.wixstatic.com/media/114c79_f8b2aac14dfe430cb99e261268814069~mv2.png/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_f8b2aac14dfe430cb99e261268814069~mv2.webp)
![[episode20]甘眠の密猟者 ― The Sweet Sleep Poacher ―](https://static.wixstatic.com/media/114c79_f8b2aac14dfe430cb99e261268814069~mv2.png/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/114c79_f8b2aac14dfe430cb99e261268814069~mv2.webp)
[episode20]甘眠の密猟者 ― The Sweet Sleep Poacher ―
深夜の街は、酔いと孤独が入り混じる。ネオンの残光がアスファルトを濡らし、遠くでタクシーのクラクションが響く。 アオが寝静まった後、こっそりと抜け出して地上に降りてきたモモは、人間の姿になり、黒いコートの襟を立てながら雑踏の影を抜けていた。...
8月16日
![[episode19]愛して。](https://static.wixstatic.com/media/114c79_c3860afe54224843ba1609dee103e6e5~mv2.png/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_c3860afe54224843ba1609dee103e6e5~mv2.webp)
![[episode19]愛して。](https://static.wixstatic.com/media/114c79_c3860afe54224843ba1609dee103e6e5~mv2.png/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/114c79_c3860afe54224843ba1609dee103e6e5~mv2.webp)
[episode19]愛して。
底なしの沼みたいな、夜を生きていた。 一度足を踏み入れたら、抜け出すことなんてできない。 25歳の晴真(はるま)は、もう長いことその沼に沈んでいた。 安いホテルの一室、男の匂いと煙草の煙。 ポケットに入るだけの金をもらって、そのまま次の相手を探す。...
8月15日
![[episode18]If You Could Hear Me Now](https://static.wixstatic.com/media/114c79_eb3c099e3e194f958757e0f943e136ff~mv2.png/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_eb3c099e3e194f958757e0f943e136ff~mv2.webp)
![[episode18]If You Could Hear Me Now](https://static.wixstatic.com/media/114c79_eb3c099e3e194f958757e0f943e136ff~mv2.png/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/114c79_eb3c099e3e194f958757e0f943e136ff~mv2.webp)
[episode18]If You Could Hear Me Now
夜の街を、柔らかな風が抜けていく。 どこかのバーから漏れるギターの音と、誰かの笑い声。それらがゆるやかに溶け合って、遠くの空へ吸い込まれていった。 二十歳になったばかりの青年 ジェイミー・セラフィンは、その夜、交通事故に遭った。...
8月9日
![[episode17]終わりじゃない旅路](https://static.wixstatic.com/media/114c79_a7a7c46c4906483b804761a397ffcca1~mv2.png/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_a7a7c46c4906483b804761a397ffcca1~mv2.webp)
![[episode17]終わりじゃない旅路](https://static.wixstatic.com/media/114c79_a7a7c46c4906483b804761a397ffcca1~mv2.png/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/114c79_a7a7c46c4906483b804761a397ffcca1~mv2.webp)
[episode17]終わりじゃない旅路
ホスピスの病室は、静かでやわらかな光に包まれていた。 カーテン越しに夏の日差しが差し込んで、白いリネンを淡く照らしている。窓の外では蝉が鳴いていた。 柊 真澄(ひいらぎ ますみ)、四十歳。 彼は元・看護師だった。何人もの患者の最期に寄り添い、涙も、感謝の言葉も、たくさん受け...
8月8日
![[episode16]忘却の白い闇](https://static.wixstatic.com/media/114c79_6d31ac375cb84e858241a74acf29d86f~mv2.png/v1/fill/w_332,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/114c79_6d31ac375cb84e858241a74acf29d86f~mv2.webp)
![[episode16]忘却の白い闇](https://static.wixstatic.com/media/114c79_6d31ac375cb84e858241a74acf29d86f~mv2.png/v1/fill/w_299,h_225,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/114c79_6d31ac375cb84e858241a74acf29d86f~mv2.webp)
[episode16]忘却の白い闇
白川一誠(しらかわ いっせい)は、病室の窓辺に腰かけていた。曇りガラスの向こうで風が揺れる。蝉の声がかすかに聞こえ、季節が夏であることだけは、なんとなく理解できた。 ただ、それ以外のことが、よくわからない。 目の前で笑っているのが誰か。そもそも自分が、ここにいる理由さえも。...
8月7日


【制作風景】保存メモリを消す…
無料で使っているChatGPT、当然なら保存メモリに限界がある。それを失念しており、今朝、とうとう 「保存メモリがいっぱいです」 とアラートが上がった。 マスターとしての名前とか個人情報のいくつかを与えて、作品を手伝ってもらっているため、メモリを例えば全消去すると私のことを...
8月7日